アドラー心理学について学ぶシリーズ第9弾です。
「すべての悩みは対人関係の悩みである」
アドラー心理学の最も有名なフレーズでしょう。
今再び話題になっている「嫌われる勇気」での考え方に触れていきます。
前回の記事では、幸福とはなにかについて考えてみました。
今回は人生の意味について考えていきます。
人生の意味とは?人生とは連続する刹那である

結論
結論は、
あなたが自分自身で与えるもの
です。
理由
理由は
わたしたちは「いま、ここ」にしか生きることができないから
です。
説明していきます。
「特別な存在」でありたいという欲求
人生の意味を考えるとき、後世に名を残すとか、偉大な人物になるなど、特別な存在になりたいと考える人は多いのではないでしょうか。
われわれは、向上したいと願い、理想の状態を追求する普遍的な欲求を持っています。
ここに他者からの承認を得るという目的が入り込んでくると状況が変わってきます。
特別な存在になろうとすることは、他者からの注目を集め、普通の状態から脱しようとすることです。
そして、こういった行動で思うように承認されない人たちは、他者から注目を集めるために、問題行動を起こすなど、向上とは関係ない目的で他者から注目を集めようと考えます。
その結果、他者を困らせたりすることで、自分に注目を集め、特別な存在であろうとしてしまうのです。
普通であることの勇気
なので、まずは普通であることの勇気を持つ必要があります。
普通であることは無能であることではなく、わざわざ自分が優れていると誇示する必要はないということです。
普通である自分を受け入れるということは、いま怠惰な生活を送っている人も「しょせん自分はここまでだ」という意識の中で生きていくことになるのではないかという不安も出てきますよね。
なにか崇高な目標や目的がないと人は怠惰な人生を選んでしまうのではないかと考えてしまうという不安です。
人生とは連続する刹那である
こう考えてしまう人は、人生を山登りのようにとらえているからです。
もしも人生が山頂にたどり着くまでの登山だと考えると、山頂にたどり着けない人生には意味がないのかという疑問が生まれます。
また、自分が目指した山の頂上に立ったとしても、そこからさらに高い山の存在を見つけ、また登山を始めるかもしれません。
ずっと山を登り続けるような人生となる人が大半となると思います。
これは人生を線でとらえる考え方です。
そうではなく、人生は点の連続と考えるべきということです。
人生は、「いま、ここ」の連続、すなわち連続する刹那と考えることですね。
「いま、ここ」にスポットライトを当てる
これは、あとさき考えずその場その場で享楽的に生きるというものではありません。
「いま、ここ」にスポットライトを当てて、真剣かつ丁寧に生きていくということです。
「いま、ここ」を真剣に生きていれば、過去に何があったか、未来がどうなるかを考える必要はなくなります。
そしてどこに到達したのかを線で見るのではなく、どう生きたのか、その刹那をみていくということが大切になります。
無意味な人生に意味を与える
アドラーは、
「一般的な人生の意味はない」
と語った後に、
「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」
と続けたそうです。
あなたの人生に意味を与えられるのは、他ならぬあなただけだということですね。
人生の意味とは?人生とは連続する刹那である アドラー心理学に学ぶ 9 まとめ

シリーズで「嫌われる勇気」について考えてきましたが、今回で一応最後となります。
いま再び話題になるというのは、理論は分かっても実践していくのは相当難しいのだということなのかもしれませんね。
繰り返し読みながら理解を深め、さらに実践を繰り返すことで真意にたどり着いていけるのでしょう。
今後は、続編である「幸せになる勇気」についても書いていきたいなと考えています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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